住宅購入の見識:新築か中古か、戸建てかマンションか、駅からの距離か築年数か(17.09.24)

昨日のご相談実例を参考にしながら、新築か中古か、戸建てかマンションか、駅から近く(築年数古い)か遠く(新しい)かの検証記事を掲載してみます。

不動産の価格を算出するに際して、基本的な考え方は、土地とマンションに関しては類似物件の比較(取引事例比較法)をして算出し、戸建ての建物部分は主要構造と状態や付加価値などを考慮して算出して土地評価を加えます。

いずれにしても、他の物件との比較がされるため、その地域で売り出される不動産の数が多いか少ないかで評価が左右されます。人気の地域で売り出しが少なければ価格は上がり、売り出しが多ければ価格競争に巻き込まれて下がります。

戸建てやマンションでは、建物の状態、仕様、構造などを細分化して加減されるべきですが、不動産市場(相場)という圧倒的な大きな流れに巻き込まれると、ひとつの不動産では太刀打ちできません。

これを購入する方から見た場合、同じ価格でも、建物の状態がまちまちで、個々の物件ごとに判断する必要があります。その中に、建物の状態や品質が良い物件が相場に引きずられて割安に売り出されることがあるとも言えます。

売却する側では、良い状態を保ち、他の物件よりも評価を上げることも大切になります。さらに、販売前から近隣の販売動向、比較対象になる物件の売り出し状況をチェックし続けることが必要です。

新築住宅の場合、マンションと戸建てでは少し様相が異なるかもしれません。

マンションの場合、事業として考えると、土地の仕入れ段階から設計、着工、竣工、引渡しまで長期化するため、資金負担、販売コストがかさみます。さらに、相場動向が変化したり、類似物件の販売、販売戸数の多さから需要が足りなすぎての売れ残りなどを考慮すると、本来の不動産評価部分に、相当の経費や利益を計上しなければなりません。これを新築プレミアとも言う。これが中古になると、本来の不動産評価部分のみとなり、プレミア分が蒸発するため、その分(一般的には2割)だけ評価が下がります。なお、売れ残り住戸を大幅値引きで購入すれば逃れられることも。

戸建ての場合、土地の仕入れから完成引渡しまで、スピード勝負の事業となります。着工したらあっという間に完成した、なんて現場をご覧になった方も多いと思います。新築の建売住宅では、完成したら値下げ攻勢で売り切ることを目指すため、また、価格のうち土地構成分があるため、マンションのように、プレミア分の落ちは大きく感じません。注意点は、超短期に建築をしているため、工事中の施工ミスがないかどうか。近年では、建物の検査や保証体制(保険など)が整ってきていますので、昔ほどの不安はないかと思います。

本題の新築と中古との比較に戻ります。

マンション、戸建てともに、築年数以外の要素が同じと想定した場合、同じ金額で売り出されていれば、築年数が新しいほど建物割合が高く、築年数が古いほど土地割合が高くなります。

これを将来売却すると想定してみると(出口戦略)、土地の価値が横ばい状態で推移した場合、土地の割合が高い不動産ほど価値は維持されることになります。これは、マンションと戸建ての比較の場合、土地要素が強い戸建ての方が価値が維持されやすいとも。

例1:A新築200(土地100、建物100)、B中古200(土地140、建物60)→A150(土地100、建物50)、B170(土地140、建物30)。

例2:Cマンション200(土地20、建物180)、D戸建て200(土地140、建物60)→C110(土地20、建物90)、D170(土地140、建物30)。

例3:E駅近200(土地140、建物60)、F駅遠200(土地60、建物140)→E170(土地140、建物30)、F130(土地60、建物70)

新築と中古、戸建てとマンション、駅近くと遠く、組み合わせや個々の要素にも左右されますが、評価が維持されやすいのは、マンションよりも戸建て、新築よりも中古、築年数よりも駅からの距離、となります。

中古の戸建てで、駅から近くて生活利便性が高くて、まだ使えそうなのに土地評価のみとなっている、なんていう物件があったら、お買い得かもしれませんね。致命的な短所は別ですが、地形、方位などの細部よりも立地という大きな要素が重要なのは冒頭の通りです。

そして、同じ地域で、新築のマンションや戸建て(特に注文住宅)を購入して、高額な住宅ローンを組むと、利息も膨らみ、その分だけ購入コストが高くなります。(4000万円の購入費用を3000万円に圧縮できれば、年10万円、トータル200万円超の費用が浮く)

余談:売却を依頼する会社(関連含む)が新築の取り扱いが多い(メイン)場合、中古の有利さや資産価値の面でのセールスが難しくなります。依頼する会社を選ぶ際に、得意とする物件種別を確認されることをお勧めします。


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